描画材の特徴を感じ取ろう
- ミヤタンコラム
クレヨン、オイルパステルは幼児にとってなじみのある描画材です。みなさんも小さいころによく使っていたのではないでしょうか。この2つ、見た目は似ているけど、描いてみると、その違いをすぐに感じることができます。今回は、様々な描画材を試して表現する授業の様子を少しご紹介いたします。
まずはクレヨンやオイルパステルで線を描いたり、色を塗ったりしていきます。
「クレヨンはさらさらと描きやすい」
「オイルパステルはしっかりと色がつく」
「クレヨンは色の重なりがきれい」
「オイルパステルは色がよく混ざる」
様々な描き方を試してみて、感じたことを話し合いながら、それぞれの描画材の特徴をつかんでいきます。
次に色を付けたところをティッシュペーパーでこすってみましょう。
「クレヨンは優しい感じになる」
「オイルパステルはよく伸びる」
「ぼかすと光っているみたいに見える」
「こすって色を混ぜても面白い」
描画材の特徴やぼかしの表現の面白さなど、試していくと様々なことに気づいていきます。
クレヨンとオイルパステルの成分はよく似ています。商品にもよりますが、それらの違いとして、クレヨンはロウ成分が多く、オイルパステルは油分が多く含まれているといわれています。この描き心地や定着具合の違いはこのような成分の配合比率によって変わるのですね。
色鉛筆やチョークも身近な描画材としてよく使われます。こちらも同じように試してみましょう。
「色鉛筆は細かい線が描きやすい」
「チョークは横にして描くと一気に広くかける」
「色鉛筆もクレヨンみたいに色が重なる」
「チョークはこすると粉が広がる」
それぞれの特徴を感じながら試していると、自然とその特徴を生かした絵ができてきました。
本やネットで調べれば、描画材の特徴はすぐに出てきます。しかし、実際に試してみないと「それはどんな感じか」、「それに対して自分はどう感じるのか」がわかりません。文字の知識だけでなく、経験としての知識が「そのものを知ること」、「自分を知ること」を深めていきます。そのような経験を重ねていくと、自己表現の世界はどんどん深まり、楽しくなります。
ぜひ、皆さんも様々な描画材を試して、感じて、様々な表現を見つけてみてはいかがでしょうか。
※本日のテーマと関連する授業は、「子どもと表現(造形)Ⅰ・Ⅱ」です。
※写真は学生作品の一部抜粋です。
<文献>
竹井史(2019):造形道具の知識と技能が楽しくしぜんに育つ本,メイト
プロフィール
- 所属学科
- 保育科
- 職名
- 講師
- 学位
- 修士(教育学)
- 専門分野
- 美術教育、造形教育