1.音や音楽でつながる
2.音や音楽で広がる豊かな表現
1.音や音楽でつながる
音や音楽をとおして、言葉はなくとも気持ちが通じ合った という経験はありますか?
私は高校時代に合唱をしていましたが、仲間と声を合わせ綺麗なハーモニーが響き合うと、みんなの気持ちがひとつになっているように感じられました。また講義のなかで、初めて会う人と音を合わせたり音楽を創ったりする時には、「音楽をとおして仲良くなれた気がした」という学生からの感想をよく耳にします。
これは、音楽に人と人を「つなぐ」力があるからだと思います。音楽には人の生理的、心理的、社会的、認知的な状態に作用する力があります。具体的には、音楽を聴くと身体を動かしたくなる、好きな音楽を聴いて気持ちが高まる、音楽をとおして気持ちを表現するなどです。これらの力を使って、対象者がその人らしく、より豊かに生きるための支援をしようとするのが「音楽療法」です。
さて、本学には「こども音楽教育センター」があり、幼児から社会人まで幅広い年齢層の方が約100名在籍しています。同センターでは、障がいの有無にかかわらず、多様な感覚を使って音や音楽を体験することや、一人ひとりが自分らしく表現し、豊かに音楽を創り上げていくことを大切にしています。
一人ひとりが生み出す音や音楽に「すごい!」「面白い!」と心を動かされる日々です。そして、音楽を通して「楽しい」気持ちでつながれることを幸せに思います。
次回は、同センターのエピソードをご紹介します。
※本日のテーマと関連する授業は、「音楽療法概論」です。