ごあいさつ
今日も仕事や家事・学業などお疲れ様です。
ご存じのように、病気にならない身体づくりには規則的な生活と栄養が基本です。さらに良質な睡眠にも健康との深い関係があり、寝ている間に抗ストレスホルモンが分泌され、代謝や消化吸収が促進され、免疫力の維持向上が図られています。ゆったりと眠れる工夫、何かされていますか?
最終回は、コミュニケーションとタッチング・ケアの効果についてお話します。
3.コミュニケーションとタッチング・ケアの効果
ストレスへの対処方法は、ヨガや温泉など癒やしをもたらす静的なものからスポーツや旅行など活動量の多い動的なものまで様々です。そして家族や友人とお喋りしながら楽しい時間を過ごすことができれば、最高のリフレッシュとなるでしょう。近年ではリラクゼーション産業も多様化し、香りを活用した商品やもみほぐしなどのサービスも盛りだくさんです。それらを日常に取り入れ気分転換することも、ストレスとの上手なつきあい方だと思います。
看護や介護の分野では、図1のようにコミュニケーション(カウンセリングやリフレーミングなど)を図りながらタッチング・ケア技術を用いてアプローチします。このタッチについて岡本(2020)は、「患者に触れることにより、不安を軽減し、緊張を緩和し、疼痛を和らげる方法として、意図的タッチが用いられる」と表現しています。
まず自分の役割を伝え、ケアの効果と参加の自由を伝えます。口数が少ない場合など、表情の変化を観察すると同時に“間(考える時間の提供、話したくないという意思表示)”を大切にするといいでしょう。「相手の感情」に対してねぎらいの言葉をかけ手や肩に軽く触れることもケアのひとつで、一緒にいる(独りじゃない)というメッセージとなります。手足が冷たい場合には、温かいタオルを用いて背中や手足をマッサージするのも効果的です。話すスピードは安静時の呼吸に近づけられるよう、落ち着いた声とリズムを意識します。そのまま眠りにつくことができれば、静かで安心できる環境を提供します。コミュニケーションとタッチング・ケアには信頼が求められます。また、心身のコントロールが乱れたときや終末期など科学の力が及ばない状況でも寄り添うことができる支援です。
いつしか優しさは循環し、あなた自身も穏やかな時間を感じられるようになると思います。
※本日のテーマと関連する授業は、「日常生活支援技術」「心身医学概論」「子どもの保健」です。
引用)岡本佐智子(2020)「根拠が分かる看護マッサージ」,中央法規,p72.
<プロフィール>
宮崎学園短期大学 准教授
専門:看護学
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