現代ビジネス科では、学生が地域と連携しながら課題を発見し、解決策を見つけていくPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)型の授業を取り入れています。その一つ「実践ビジネス演習Ⅰ・Ⅱ」では、学生たちが地域貢献を目的としていくつかの実践的なプロジェクトに取り組んでいます。
今回は、2024年11月16日に宮崎科学技術館で実施した「小学1・2年生のためのプログラミング講座」のプロジェクトをご紹介します。
小学生とともに「プログラミングの楽しさ」を共有
このプロジェクトの目的は、小学校低学年の子どもたちに「プログラミングの楽しさ」を体験してもらい、プログラミング学習への関心を高めることです。履修生の中から手を挙げた14名の学生がチームを編成し、宮崎科学技術館様のご協力のもと、Scratchを使ったプログラミング体験講座を企画・運営しました。
Scratchは、ビジュアルプログラミング言語で、幼い子供でも感覚的にプログラミングを学ぶことができるツールです。学生たちは「プログラミングの楽しさとは何か?」を問い、どのようにそれを子どもたちに伝えるかに焦点を当て、事前の準備を進めました。短い期間の中で何度も話し合い、直前まで計画を練り上げました。
参加者からの嬉しい反応
講座当日、宮崎科学技術館に事前に申し込みをしていただいた20組の親子が集まりました。最初は少し緊張した面持ちだった子どもたちも、学生たちと一緒に名札作りやプログラミング体験をしていく中でリラックスし、次第に楽しそうに学んでいく様子が見受けられました。Scratchを使ってオリジナルの作品を作り上げた子どもたちの笑顔は、学生たちにとっても大きな喜びとなったことでしょう。
講座後に実施したアンケートでは、子供たちから「楽しかった」「家でも作りたい」といった前向きな感想がたくさん寄せられました。保護者からは「プログラミング教育にどう向き合えばよいか、ヒントをもらった」といった意見もあり、学生たちは自分たちの取り組みが地域に貢献したことを実感し、嬉しそうにしていました。
初めてのワークショップデザイン
学生たちにとって、今回のようなワークショップのデザインは初めての挑戦でした。講座の運営には、これまで短大で身につけた「礼節・勤労」の心、プレゼンテーション力、協働力などが求められました。私は、学生が自ら企画を進める際の助言やリフレクションを提供しました。特に重要だったのは「プログラミングの楽しさをどう伝えるか?」という問いを学生自身が考え抜く過程をサポートすることです。学生たちがアイディアを出し合い試行錯誤しながら実行に移していく中で、その方向性を見守りつつ、時には振り返りの場を設けて意見を交わしました。
地域との連携を通じて学ぶこのようなプロジェクトは、学生たちが自分たちの力を社会でどう活かしていけるかを実感する貴重な機会です。現代ビジネス科では、今後も地域のニーズに応じた課題解決型のプロジェクトを実施していく予定です。学生たちが次にどんな挑戦をするのか、今からとても楽しみにしています。
まとめ
今回は、学生たちが地域貢献を目的に行った「プログラミング講座」の取り組みについて紹介しました。現代ビジネス科では、学生が地域と連携し課題解決に取り組む中で、実社会で求められる力を養っています。保護者の皆様、地域の皆様にも、このような挑戦的な学びをサポートしていただけると幸いです。
現代ビジネス科 伊賀彩子