松田昭憲先生
Q:最近、「発達障がい児」へのお悩みをよく聞くようになりました。
先生:文部科学省が小・中学校の先生を対象にした全国調査では、通常の学級に在籍する「気になる子ども達」の割合が徐々に増えています。
(2002年/6.3%、2012年/6.5%、2022年/8.8%)
そしてその中に、発達障がいの子ども達が含まれている可能性があります。
発達障がいといってもその特性は様々で、子ども一人ひとりで異なります。そのため、現場の先生方はその対応や指導について、かなり困ってしまうことも考えられます。Q:『困りごと』としては、どんな内容がありますか?
先生:先生側が対象児に感じる『困りごと』は、「集団行動がとれない」「偏食がある」「集中力が続かない」「忘れ物が多い」「落着きがない」「勉強が追いつかない」「友達とのトラブルが多い」等です。いっぽう子ども側の『困りごと』は「いつも怒られる」「努力してもできない」「みんなとうまくやれない」等で、小学校高学年頃から周囲との差異を自覚しはじめ、中学・高校頃からは本気で悩みだす傾向にあります。その結果、不登校や引きこもりとなってしまったり、イジメの対象となってしまったりするようです。また大人になってからは、精神疾患を発病することもあります。
そうなる前に、周囲の人々が早期に気づき正しく支援できるような社会になって欲しいですね。
Q:「発達障がい児」の授業科目ではどのような勉強をするんですか?
先生:「特別支援教育Ⅰ・Ⅱ」という科目で、Ⅰは1年生で基本的な障がい(特性)の理解について学習します。Ⅱは2年生で学習し、障がいの特性に応じた支援検討のグループワークです。具体的には「障がいの特性に応じた保育園での配慮や支援方法」などを話し合いますが、学生のまとめる支援の工夫には毎年感心させられ、その新鮮な発想や成長に驚きます。
(聞き手:桑迫)