小学校教育の延長に中学校教育があり、その延長に高等学校教育があります。それでは、高等学校教育の延長に大学教育があるのか?と言えば首をかしげたくなります。なぜなら、教師(教員)と学生の両者ともに、「大学」と「小・中・高」とでは、教え方や学び方が異なるからです。
小・中・高の教員は、「すでにわかっている事」を学生に教える(伝える)ことを役目としています。そのために教科書があります。
一方、大学教員は「わかっていない事」を教えることを基本にしています(この意味をすぐには理解できないかも知れませんが)。たとえ資格に必要な科目であっても、教える内容に対しては、教員各自がいろいろな資料や文献を調査し、研究して、自分独自の考えで教材を作成し、資格にふさわしい内容や今後の課題(わかっていない部分)を提供しなければなりません。そのため、大学教員には教育力と研究・調査力の両方が求められます(これが大学設置審査会による教員資格審査の趣旨と思います)。
ところで、大学生は、小中高校生の受動的学習(先生から教えられる学習)から、能動的学習(自ら学ぶ学習)に切り替える必要があります。つまり、わからない部分や課題を教える教員とわかりたい学生の両者が向き合うことで、学生は、課題発見能力や問題解決能力を身につけていくのです。学生の皆さんはぜひ能動的学習を日常的に身につけて頑張ってください。
(2023/09/29記)村上 昇