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SPI3非言語対策の重要性

<執筆者プロフィール>

長尾 清美

宮崎学園短期大学 現代ビジネス科 講師

専門:マーケティング・流通

SPI3 非言語対策の重要性

  現在企業が導入している適性検査にはいくつか種類があるが、その中でもSPI3[1]は歴史が古く、採用実績が豊富である。SPI3とは、リクルート社が提供する適性検査のひとつである。

 大企業だけでなく中小企業でもSPI3を導入するケースが増えてきており、2023年においては約15,500社が導入し、(学生から社会人まで)約217万人が受検している[2]

さらに、民間志望の優秀な学生への門戸を広げるため、SPIを導入する市役所・県庁等が増加している[3]

 SPI3の適性検査には性格検査と能力検査がある。

 性格検査は仕事をする上での人柄・職務への適応性・組織への適応性をみることが目的であり、設問数は約300問で、回答時間:30分~40分(実施方法によって異なる)となる。

能力検査においては、どのような仕事にも共通して求められる基礎的な能力を測定する。

設問数が約40~97問(実施方法・テストの種類によって異なる)、回答時間:35分~70分 (実施方法によって異なる)である[4]

 SPI3の能力検査は言語分野と非言語分野に分かれている。

 言語分野では語彙力や文章の意味を正確に理解する能力といった、国語力を問う問題が出題される。

 非言語分野では主に算数・数学の学力が問われる。問題のレベルは中学校の数学レベルであるが、制限時間が短く全問解ききれない就活生も少なくない。制限時間の割に問題数が多く、40分で30問の場合、平均1問につき1分20秒で解けば完答ということになる。よって、スピードと正確さが問われる。

 非言語で点数が取れない人の特徴は「SPI3の対策を十分にしていない」ことが挙げられるそのためSPI3を初めて受ける人が、自分の実力を十分に発揮できずに終わってしまうケースが少なくない。

 SPI3の通過率は、企業や選考のフェーズによってかなり異なるが、一般的には3割程度と言われている。そして、これまでの受検結果の傾向として、言語よりも非言語で大きな差が生じている。通過している就活生の多くが、非言語で高得点をあげているようである。

 とりわけ、数学が苦手でずっと文系科目しか勉強してこなかった学生は簡単な公式も忘れてしまっている場合があるので、しっかりとした対策が必要になってくるだろう。

 ただ前で述べたように、問題内容については基礎学力を問うものであり、小学校や中学校で習ったことが理解できていれば十分に高得点が期待できる。

 スタディ・スキルⅠaの授業においては、SPI3の非言語分野を中心に学修している。毎回の小テストにおいては、「正解率」だけでなく、「解くスピード」も意識させるために、正解数と所要時間も各自記録するようにしている。演習においては、理解度の早い学生と遅い学生を同一グループにして「教え合い学習」を行なっている。

 多くのミヤタンの学生がSPI3の非言語を克服して、全員内定を勝ち取ることを切に願う。

 

[1] 初代SPIテストはペーパーテストのマークシート方式で2004年まで使われ続けたが、2005年になってSPI2が導入された。SPI2はマークシート方式だけでなく論述問題も採用されるなど従来のSPIテストに比べて出題範囲が大幅に拡大されたほか、インターネットの普及によってペーパーテストだけでなくテストセンターやWebテスティングなどの受験方式にも大きな変更が加えられた。

そしてSPI2の次のバージョンとして2013年から実施されるようになったのがSPI3である。

SPI2からSPI3へのバージョンアップにおける最大の変更点は、従来のSPI2が能力検査だけだったのに対して、SPI3では新しく性格検査も行われるようになった点である。(https://shukatsu-venture.com/article/306322

[3] 2024年度宮崎県においては、綾町、諸塚村などの一部の職種で採用予定となっている。(https://koumuwin.com/spigata/)

※本日のテーマと関連する授業は、「スタディ・スキルⅠa」です。